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第85話 五番目の貴方は、ワン・オブ・ゼム

last update Last Updated: 2025-12-22 06:07:32

 祝賀夜会の夜。

 王都の路は、無数の魔術灯で煌々と照らされ、着飾った貴族たちを乗せた馬車が、天の川のように王宮へ続く。

 そんな最中、一台の王室専用馬車が、シャーデフロイ伯爵邸の門をくぐった。

 降り立ったのは、正装に身を包んだ、王太子バージル・ファン・シュタウフェン。

 白亜の軍礼装に、王太子の証であるサッシュ。その美貌は、星々すら霞ませるほど。

 バージルは、緊張とそれ以上に決意を秘めて、玄関へと足を踏み入れた。

(よし。準備は万端だ。今夜こそ、彼女に……ベアトリーチェに、私の真意を伝えるのだ)

 父王の言葉が、胸に蘇る。

 ――足元の花も愛でてやれんのか。

(そうだ。確かに私は、言葉があまりに足りなかった。不器用に過ぎた! 今夜のエスコートを通じ、ベアトリーチェの誤解を解く。そして、共に手を取り合って、この国の危機に立ち向かうのだ!)

 バージルは、やはりそんなことを考えている。今の距離感は、生じたすれ違い、誤解によるものだ、と。

 己の振る舞いが、ベアトリーチェから“評価”された結果だとは考えていないのだ。

 未だに、為すべき正義が先に立ち、ベアトリーチェ個人の感情も、価値観も置き去りになっている。

「ベアトリーチェ嬢は、支度が済んでいるか?」

 出迎えた使用人に、バージルは問うた。

 しかし、なぜか使用人は目を白黒させて、口ごもる。

「は、はい。お嬢様は……すでに、お待ちでございます。ただ……」

「ただ?」

「その……少々、『お連れ様』が多いようでして」

 お連れ様? 侍女か何かのことか?

 そう訝しみながらも、バージルは扉を開け放った。

「待たせたな、ベアトリーチェ――」

 だが、バージルの言葉は、喉の奥で凍り付いたままになった。

「あら。ずいぶんと、遅かったですわね、バージル殿下!」

 そこにいたのは、燃えるような

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